米中関係 2020 6 28

書名 世界ウイルス戦争の真実 米中の「熱い」戦いが始まる
著者 日高 義樹(ハドソン研究所主席研究員) 徳間書店

 米中関係は、「熱い戦い」になるかどうかはともかく、
「米中対決」は不可逆的なものとなるでしょう。
これは、かつての「米ソ冷戦」を想定するものとなるかもしれません。
 日本では、米中関係とは、
トランプ大統領の「交渉術」ばかり報道されますが、
ここ数年、連邦議会で成立した法案を見れば、
その厳しさは、かつての「米ソ冷戦」を連想させるものです。
連邦議会は、トランプ政権よりも厳しいと言えるでしょう。
 どうして、アメリカは、「反中」になってしまったのか。
かつて、ワシントンは「親中派」であふれていました。
連邦議会も学者も評論家もメディアも「親中派」ばかりでした。
このままではアメリカが中国によって買収されてしまうという懸念があったほどです。
 しかし、ある時から、アメリカは、
「親中派」から「反中派」へ「相転移」したのです。
まるで、水が氷へ変わる時の相転移のようでした。
 日本人から見ると、不思議な論理ですが、
「中国人が豊かになれば、中国は民主化される」という論理が、
アメリカでは支配的な時期があったのです。
 日本人の感覚からすれば、
「中国が豊かになれば、帝国となる」と考えるのが普通でしょう。
 日本人の「DNA」には、
「元寇」というモンゴル帝国の来襲が刻み込まれているからです。
 しかし、アメリカ人は、
「中国人が豊かになれば、中国は民主化される」と考えたのです。
 それを知ってか、胡錦濤政権時代は、
重要な大会が終わると、記者懇談会で、
温家宝首相は、民主化の必要性について弁説をふるったものでした。
 しかし、アメリカの「夢」は見事に打ち砕かれてしまったのです。
中国では、習近平国家主席が「終身制」となれるように、
つまり、実質的に「皇帝」になれるように政治制度が変わったのです。
 アメリカから見ても、
中国は集団指導体制から独裁制へ舵を切ったと見えたのです。
 さらに、中国の武漢で発生した「新型コロナウイルス」は、
アメリカで猛烈な勢いで感染が拡大しています。
これでは、「親中派」が春の雪のごとく急速に消えていくでしょう。
 とかく、日本企業は、
トランプ大統領が米中関係をなんとかしてくれるだろうと考えがちですが、
連邦議会で成立した法案を甘く見ていると、
かつての「東芝機械ココム事件」のようなことが起こるかもしれません。

メディアの苦境 2013 3 10
「空を制するオバマの国家戦略」(実業之日本社)から引用しましょう。
 中国の買収工作の凄まじさは、ホワイトハウスや議会だけではない。
新聞部数の低迷に泣く、アメリカの大手メディアにも及んでいると見られている。
 アメリカの有名メディア、
ニューヨークタイムズやワシントンポストは、
「中国に半分買収されている」と大使館関係者が嘆く。
 ニューヨークタイムズなどは、
中国共産党の英文機関紙「チャイナ・デイリー」を最近2年間、
毎月1回〜2回程度、折り込み配布しているほどだ。
 「チャイナ・デイリー」は、中国共産党の宣伝機関紙だ。
つまり、アメリカの読者に、その宣伝新聞が毎月配布されていることになる。
 こうした中国の機関紙を配布するという「中国向けサービス」に、
アメリカの有力二紙は、せっせと励んでいる。
 このような実態を知らずに、
ニューヨークタイムズの「ご宣託」とばかりに、
「中国擁護・日本非難」の評論記事を、
日本の大手メディアが掲載すると、
これは、中国の毒牙にかかってしまうことになる。
(以上、引用)


























































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